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目を塞いでいる時間があるなら。

そんな時間があるのなら、前を向こうと思う。

俺の前には、君が立っているから。

だから、目を開けていようと思うんだ・・・・・。

そして出来れば―――






終わらない鬼ごっこ








深い、深い森の奥。
人目を避けた閑散とした地に巨大な墓石が立っている。
白い、白い天まで伸びるかのような。

――時空制御塔

それが、墓石の一般的な呼称。
そこには狂王ヴェンツェルと、名を口にする事すら禁じられた少年が眠っている。
一歩、足を踏み入れる度に罪の香りが漂う、鉄錆びの匂いが。
立っているだけで、息が詰まり眩暈がする。苦しい。

「・・・・・おい、どうした?」

不審な少女の後を追い、塔の中腹部まで登ったところで背後から呼び止められた。
振り返るまでもない、ゼノスだ。今、共に旅をしている仲間の中で自分の正体を知る二人の内の片割れ。
そして唯一、血を分けた存在。遺伝子上では彼は俺の息子だ。だからだろうか、何故か彼の事を年上だとは思えないでいた。
ゆっくり後ろを向けば、蒼い海のような瞳が俺を心配そうに見ている。不思議に思って首を傾げば。

「・・・・お前、具合悪いんじゃねえか?顔色悪いぜ」
「・・・・・・・・ああ、ここは・・・・・うん。どうやら、何かいるようだ」
「何かって、何だよ」
「・・・・・・とても、悪いもの。一年前全て断ち切ったと思っていた、もの」

そう、息苦しいのは罪の記憶が呼び起こされているからだけじゃない。
自分の中に残ってしまった闇が、この塔の内部から漂う自分に近しいものに共鳴しているからだ。
皆は俺を人間にしてくれようとしていたようだが、結局のところ『紛い物』は『本物』にはなれなかった。
それをこの苦しみが証明している。思わず、自嘲を零しそうになったが何とか堪え、自分を複雑そうな表情で見遣っている
歳の離れた友を見上げた。

「ここには、アレの類似物がいるみたいだ」
「・・・・・・ゲヴェル、か」
「・・・・・・・・ああ、でも。何とかなるだろう。倒し方のコツはもう掴んでるし?」

何でもない風に、何処か茶化すように言えば、ゼノスはまだ納得行かなそうな顔をしていたがポンと俺の頭を撫でると
「無理すんなよ」と一言呟いて他の仲間に呼ばれた方へと歩いていく。心配しながらも、深くは詮索しないでくれるその態度に
ほっと息を吐いた。だって知られるわけには行かない。こんな後ろ暗い、ドロドロした気持ち。特に『彼』には・・・。

しかしそんな事を考えている時に限って、いつも『彼』がいるのは何故か。漆黒の長衣を纏った、アーネストが近づいてくる。
その足取りは速く、このまま通り過ぎるつもりかと思っていれば、ピタリと自分と一歩半ほどの距離で彼は足を止めた。
ぱちぱちと目を瞬いて動向を見守っていれば、無感動な紅い瞳で見下ろされる。何を考えているのか、まるで分からない。
かといって、問うたところで答えが返るとも思えずアーネストが口を開くまで俺はひたすら待った。けれど。

「ぼさっとするな」

漸く出た言葉はそれ。次いで、手を取られ、引っ張られる。何か、言いたげだった気がするが単に迎えに来ただけなのだろうか。
言葉は冷たいのに、繋がれた手はとても暖かい。何だか不思議な感覚がした。黙って、引かれるままに彼について歩けば、ふと
何かを思い出したかのような、そんな響きの声で彼はぽつりと言の葉を落とす。

「・・・・・・お前が、何を思っているかは大体分かる。だから言おう、貴様は馬鹿だ」
「・・・・・・・・・なっ!」
「過去の柵に囚われ続ける事は酷く愚かだ」
「・・・・・・アーネスト?」

呼んでも振り返らない。けれど、繋いだ手だけは解かれず、足も止めず、ただ彼はひたすら前を行く。黒衣に包まれた背中が、
心なしかいつもより大きく見えた。銀髪が一歩足を進める度にゆらゆらと揺れる。月の残像を見ているような気になって、
気がつけば、自由な方の手をそこに向けて伸ばしていた。ぱらと乾いた音がする。指先を銀糸が擽って、その事が煩わしかった
のか、アーネストは今まで振り返らなかった顔をこちらに向ける。

「・・・・・あ、ごめ・・・・・・」
「・・・・・・・?何を謝る。勝手にすればいい。俺も勝手にする」
「・・・・・・・・・え、うん・・・・・・でも・・・・・・?」
「・・・・・・・お前は、『ここ』が『墓場』だとでも思っているのか?」
「・・・・・・・・・・・・・・え?」

また、視線を前に戻してアーネストは歩き出す。それから淡々と、世間話でもするかのような口調で切り出した内容は、俺が
もっとも気にしているもので。図星を指されたように目を、見開いた。

「・・・・・『ここ』はあの方が・・・生の柵に囚われ、意にそぐわぬ事をさせられ続けたあの方が最後の決断をした場所だ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・うん」
「ほんの僅かの間でも創造主からもあの狂王からも解き放たれ、何に囚われる事もなく、己の身の振り方を選んだ」
「・・・・・・・・・・・そうだね」
「それで例え命を落としても、最期の瞬間、あの方は自由だった。故に、『ここ』は『墓場』ではない。
死の象徴などでなく、もっと前向きな・・・・『自由』の象徴だ。それに、あの方は誰かを不幸にする為に死を選んだ訳じゃない。
自分が死んでも、残された者が倖せになるようにと、生への柵すら捨てたんだ。だから、残された者は倖せにならねばならない」

お前も、俺も、と。そう呟いた彼の声は常と違ってとても穏やかで優しい。繋がれた手が、暖かいを通り越してどこか熱い。
普段の彼は、淡白で無表情で、何処か氷のような印象を受けるけれど、本当はこの繋がれた手の温度から分かるように、
焔のように熱いとすら思えるほどの熱を秘めている。それが分かると、いつも胸の何処かが締め付けられて切なくなってしまう。
意地悪で、時々冷たくて、でも優しくて、掴み所のない人。遠いようで近いようで分からなくなるから、こうして距離が縮まった
時は条件反射のように手が伸びてしまう。そっと大きな背中に抱きつけば、また止まる足。それから振り返って・・・・・

「・・・・・・・何だ、どうした」
「・・・・さあ?いいじゃないか、さっき勝手にすればいいって言ったろう?」

聞かれたって、上手く理由を述べられそうもなく、それに少し気恥ずかしかったので、その背に身を隠すように上体を
低くすれば、アーネストは何やら合点したような顔つきで口を開く。

「・・・・・・・・ああ、そんなに人肌が恋しいのか?だったらそう言えば幾らでも抱いてやるのに」
「な、何言って・・・・・、ど、どうしてすぐそういう風に取るんだ!」
「・・・・・・腰に抱きついてくるお前が悪い」
「ち、違う!俺は背に抱きついたんだ!!身長差があるんだから仕方ないだろう!!」

上体を低くしたせいで確かに今腕は背から腰へと下がってきてしまっている。しかし、それは顔を隠すためであって他意はない。
必死になって違うと叫べば、アーネストはつまらなそうに眉間に皺寄せた。その上更に舌打ちまでして。

「・・・・・チッ、可愛くない奴だ」
「舌打ち!?あからさまに態度悪すぎるだろう!??」
「喧しい、急に元気になるな」

しっし、と未だに腰に回った腕を払われる。けれどそれで離されるのは何だか癪だったので、いつも困らせられてる分
アーネストも困らせてやろうとしがみつく力を強くすれば、何故か笑われた。

「・・・・・・フン、陰気な気もいつの間にか振り切ったようだな」
「・・・・・・・・・・・・は?」
「先ほどまで、随分と暗い顔をしていたが?あの鈍感なラングレーにも分かるほどにな」
「・・・・・・・・!み、見てたのか!?」

思わず、力を込めてしがみついていたアーネストの腰を離す。ゼノスに慰められていたのを見られていたのが恥ずかしくて。
それに、何かちょっと悪い気もするし。そう思って少し離れたところから彼の顔を窺えば、怒るでもなく、にっこりと笑った。
しかし、その顔を見て凍りつく。何故ならアーネストが笑う時は怒っている時以上に恐ろしいから。じりじりと、相手を刺激しない
ように後退しようとするが、がっちり腕を掴まれた。それから引き寄せられてクン、と髪を一房掴み上げられる。

「・・・・・・痛っ!」
「・・・・・・はて、ラングレーが触れたのはこの辺りだったか?」
「ちょ、アーネスト痛い!髪引っ張るなって!」
「・・・・お前は俺のモノだ。この髪の毛一筋すら全てな」

耳元で囁いて、アーネストは掴んだ髪を指先に絡めると髪を引っ張る乱暴さとはまるで掛け離れた優しい動作で髪に口付ける。
それだけ見れば、何処かの騎士か王子様のようで。何故かは分からないが自然と顔が紅くなってしまう。

「いっそ奴が触れたところ全て切ってやりたいところだが・・・・それではあまりに不恰好だからな。貸しにしといてやる」
「か、貸しにするって、どういう事だ!大体俺は・・・・・っん!?」

傲慢極まりない台詞に食って掛かろうとすれば、逆に・・・・・それは喰われてしまった。自分に都合が悪いと思えばこうやって
口を塞いでくるであろう事が分かってて何で俺はいつも彼の思うツボに嵌められているのだろうか。自分の学習能力のなさに
呆れていれば舌が割り込んでくる。抵抗しても無駄な事は分かってるので素直に受け入れれば貪るように、けれど殊更丁寧に
口腔を舐られ、案の定息も絶え絶えになるほど深く犯された。最後にちゅ、と音を立てて下唇を吸い上げるとアーネストの方は
息を乱す事もなく、余裕で。シニカルに口の端を持ち上げる。

「なに、貸しはここから戻ったらすぐにでも宿で返してもらうから安心しろ」
「な、貸しって・・・宿ってまさか・・・・・・・」
「だから、そういう事だ」
「んな、ばっ、誰が安心できるか!!」
「・・・・・・・・あまり煩いとまた口を塞ぐぞ?」
「・・・・・~~~~ッ」

ああ、またこれだ。どうしたって彼ペースになってしまう。どうしたら自分のペースに持っていけるんだろうか。いや、それよりも。
彼のせいですっかり忘れていたがここには人を追ってきた上、すぐ近くには仲間もいるし、それにここはあの『時空制御塔』だ。
さっきまで確かに彼が言う通り息苦しくて、悲しかったのに、その思いを共通に抱いているであろう彼に微塵もなく消されて
しまっていた。それはもう不思議なくらい綺麗さっぱり。魔法のようだと思う。そうやってからかうようにして彼は俺の不安や
苦痛を攫っていってしまう。本当に掴み所のない人だ。そしていつもお礼を言う前に先に歩き出してしまう。

「・・・・・アーネスト」
「・・・・・・・・・ん?」

でも、呼び止めれば止まりもしないし、振り向きもしないけど、一応の反応は返してくれる。それが嬉しくてつい時と場合も
考えもせず、笑ってしまう。心なしか、アーネストの後姿も小さく笑っているような気がする。それに後押しされていつも
言いはぐっている言葉を紡ぐ。

「アーネスト、ありがと」
「・・・・・・何の礼だか分からんな」
「いいよ、それでも。俺が言いたかっただけだし」
「・・・・・・・そんな事言っても貸しは帳消しにしてやらんからな」
「・・・・・ちょ、ええ!?」

前言撤回したくなるような科白を吐かれて。抗議する前にすたすたと置いてくようにアーネストは早足で前を行く。
遠ざかる背が眩しくて、でも切なくて、結局俺はその背を追わなければならない。終わりのない、鬼ごっこでもして
いるような気になってしまう。けれど、終わりなどなくても、一生続くものでも彼とする鬼ごっこなら存外楽しそうだと
今まで自分にとって罪の証でしかない、この場所で俺は心の底から笑った。それはきっと、倖せだから。
彼の大事なあの人の望んだように―――


だから。

目を塞いでいる時間があるなら。

そんな時間があるのなら、前を向こうと思う。

俺の前には、君が立っているから。

だから、目を開けていようと思うんだ・・・・・。

そして出来れば君に追いついて傍にいたい。



―――ずっと、ずっと

自由で、倖せであるように・・・・・。






fin




うーん、途中まではシリアスだったのですが。
しかし中盤まで書いてこのままだと白アニーじゃないか!!という事に
気づきまして修正を始めたら見事に緊張感ないバカップルになりました(おや?)
えー、ちなみに貸しは(勝手に)身体で払わせるのが黒アニーです(殴)
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狡猾恋愛




「・・・・・・・・・アーネスト」

男の身体の下から何処か非難めいた声が響いた。
それは寝起きの少し掠れた、男にとって最愛の青年のもので。
咎めるようなそれに、アーネストは笑って。

「ん?何だ、カーマイン」

先ほどまで眠っていた青年、カーマインの身体を毛布の上から緩く辿る。
いかにも、思い知らせるような手つきにカーマインは微かに眉根を寄せた。
布越しではどうにももどかしい動きに細い肢体はシーツを乱して蠢く。

「・・・・・・・ん・・・・さっきから、何をしてる」
「・・・・・お前が俺を放ってさっさと寝てしまったからな」

ちょっとした悪戯だと口にしながら、その何処か淫らな手の動きは止まらない。
いつの間にか毛布の下へと忍ばされ、カーマインの服越しにするりするりと撫でていく。
対するカーマインはアーネストの言うところの悪戯を止めさせようとは思うのだが、何分寝起きで頭も身体も
思うように動かず。窘めるために大声を出すにも、ここは宿屋の一室で隣りの部屋にはウェインやハンスたちが
いるので憚られるし、自分に圧し掛かる大きな身体を蹴落としても同じ事なので結果、大人しくしているしかなく。
それが分かっているのかアーネストの行為からは全く遠慮というものが感じられずに。
カーマインは必死に声を抑え、ギッとまだ寝ぼけた瞳で自分の上にある男の顔を睨みつける。

「・・・・・おい、もう俺は起きたろう・・・・。止めてくれ」
「ちゃんと起きているのなら、俺を止められるのではないか?」

酷薄に、薄い唇が告げて。それがそのまま、カーマインの首筋に落とされた。
むず痒い感触に、身をくねらせた青年は恐らくこんな事をしながらも拗ねているのであろう、大人の面をした
子供の真白い頭を抱き寄せて、微かに横向いて仕方ないとばかりに溜息を吐いた後、ご機嫌取りでもするかのように
抱えた頭を引き寄せて、滅多にせぬ、自分からのキスをした。触れるだけで済まそうと思っていたカーマインは
すぐに口を離そうとしたのだが、上から押さえ込まれ、桜色の柔らかな唇を逆に貪られる。
初めは啄ばむように、しかし徐々に深く。舌を絡められて、仕様がなく受け止めつつ、何とか息継ぎをする。
唇が解放される頃にはそれは紅く腫れ上がり、濡れていた。もともと美しい容貌に艶が帯び、扇情的であったが、
彼には全くその気がないらしく。

「・・・・・・・眠い」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

色気も何もなく言ったものだ。流石のアーネストもその言葉には唖然とした。
しかもカーマインは本気で眠いらしく、瞼を半分ほど下げている。キスが裏目に出たのだろうか。
そんな事を考えつつ、アーネストは寝るなとカーマインの身体を揺すり上げる。

「・・・・・おい、寝るな」
「嫌だ、眠い」
「・・・・・・・・・・犯すぞ?」
「・・・・・君がその気の時は嫌だって言ってもするじゃないか・・・・」

現に今さっきだって寝込みを襲われたし?と言いつつカーマインは寝の態勢に入る。もぞもぞと毛布を
引き寄せるが、バッとそれを上にいたアーネストに剥ぎ取られた。先と変わらず非難の目を向けるが、上にいる
男の顔は涼しいもので。奪った毛布を床の上に捨てると、カーマインの細身の上半身を抱き寄せる。

「・・・・・ならば俺にその気があれば好きにして良いという事か」

抱き寄せた身体に服の上から唇を落とし。胸を辿ればカーマインの高鳴る心音を感じ取れる。それにアーネストは
不敵に笑うが、カーマインに髪を引っ張られ、微かに眉根を顰めた。

「・・・・・・・そんなに嫌か?」
「・・・・・・だってな・・・・君のおかげで俺は寝不足続きなんだぞ・・・・・?」
「お前が寝不足という事は俺もそうなんだがな・・・・。まあいい」

今日はもう興が殺げた、とカーマインの耳元に囁いて。落とした毛布を拾い上げ、カーマインを腕に抱えたまま
寝床に着こうとするアーネストにカーマインは珍しいなと視線を寄せる。その、奇異なものでも見るかのような瞳に
気の短いアーネストが機嫌を損ねない筈もなく。眉間に深い皺が刻まれた。

「・・・・・何だその目は。不愉快な」
「いや、珍しいなと思って。いつもは何言っても止めないのに」
「・・・・・・・・フン、あまり無理強いして泣かれても面倒だからな」

無表情に言ってのけるアーネストだが、寝不足続きと聞いてそれなりにカーマインを気遣っているのだろう。
多少無理をしても嫌われぬ自信はあるが、それで極限まで無理をさせて倒れられでもしたら困る。
自分勝手で強引さが目に付くアーネストだったが、ちゃんと自分の腕の中にいる青年を愛しているから。
むしろ愛しているからこそ抱きたいと思うわけで。それでも、そのせいでカーマインに負荷が行き過ぎると
言うのなら自制をする他ない。深く目を閉じた。

「・・・・・寝るのならさっさと寝ろ。明日は早い」
「それ、寝込みを起こした奴が言う台詞か・・・・・?」
「・・・俺はいつもお前が寝床に着くまで待っててやるのに・・・貴様は俺の湯浴み中に寝てるからだ」
「・・・・・・・何だ、それで拗ねてたのか」

アーネストの広い胸に頭を持って来られてるカーマインはやや篭もった声で言うと、両腕でアーネストの肢体を
抱き返す。何だか、急にアーネストが可愛らしく思えて。そんな青年の反応にアーネストは憮然とする。
まあ立派な成人男子が可愛いなどと思われて嬉しいわけもない。なので。

「寝ろ」

誤魔化すように、躱すようにやや強い声音で命令し、今度は自分が素早く寝の態勢に入った。

「・・・・・誤魔化しちゃって、可愛いなアーネスト」

カーマインの茶化すような台詞にピクンと眉間の皺が深まる。が、すぐに平静を整え、意地悪く告げる。

「・・・・・お前の方が可愛いだろう?」
「・・・・・・・・・・・・・・・なっ!??」
「・・・・・ほらみろ、顔が真っ赤だな。・・・・可愛いもんだ」
「・・・・・・・・・・・・・・~~~ッ!!」

漆黒の髪を指にくるくると巻きつけて。顔を赤くして胸をドンドンと叩いてくるカーマインを無視しながらアーネストは笑う。
本当は、ただこうして他愛もない会話をするだけの事も彼にとっては幸せな事で。構えば構うほど、予想以上の反応を
返してくれるカーマインがアーネストにとっては可愛くて仕方ないのだ。しかし、彼はそれをカーマイン本人に悟らせは
しない。それを悟らせるのは、何だか自分の弱みを晒しているようなものであるから。高慢でプライド高いアーネストには
耐え難い事なのかもしれない。

「・・・・俺はもう寝るぞ、カーマイン・・・・・ああ、そうだ」
「・・・・・・・何だ・・・・?」
「・・・・・・・・・俺の寝込みは襲っても構わんぞ?」

にっこり微笑まれて、カーマインは言葉を失う。しかし、すぐに言葉の意味を理解すると先ほど以上に頬を染めて。

「誰がするかー!!」

時間帯も部屋の間取りも考えずに大声で叫んだ。そしてアーネストの視線から逃れるように毛布を頭から
被れば、アーネストが声を立てて笑っているのが聞こえる。まあ、いつもの事だ。怒ったってどうせ笑うのを
止めはしないんだとカーマインは諦めたような表情をして瞼を閉じようとするが、ちらりと顔の上半分だけ毛布から
覗かせて、頬を真っ赤にしたままで。

「・・・・・・・・明日からは、ちゃんとアーネストが寝るまで起きててやる」
「・・・・・・・・・・・・・・・!」
「・・・・・・・じゃあ、もうおやすみ!」

それだけ言ってカーマインは頭を引っ込め、本格的に眠ってしまったらしい。毛布の下からすうすうと安らかな
寝息が届いてくる。それを何処か微笑ましげに見遣りながら、今度こそアーネストも眠りについた。明日はどうやって
苛めてやろうかなと幼い悪戯っ子のように楽しげに口元を歪めながら―――





fin


あれ、何これ?無駄に甘いですね。
初めは裏ものにしようとか思ってたんですが段々健全っぽくなって
きましたのでそのまま健全な方向に持っていってみたら甘くなってしまいました。
つ、次は切ない話を・・・・・書けるんですかねえ?(いや聞かれても)

美しく、甘い香を放つ花には当然の如く虫が集う。
花弁の奥に眠る蜜を求めて。それはどうにもならず、本能に近い。
止めようがないのだ、習性であり、性なのだから。

しかし。
だからと言ってそれを許せるかと言えば答えはNO。
花の主は、局地的に心が狭かったのである。




篝火花







ローランディア王国の整備された煉瓦の路面を、白い長靴が迷いなく歩む。緋色の長い裾が舞った。
鳥が歌い、花が香り、色鮮やかな民家が立ち並ぶこの国は、隣国のバーンシュタインとは異なり、自由が漂い、
何よりも華やかだ。そのせいで国民は警戒心が薄く、平和惚けしているが。それでも争う事なく伸びやかなのは
羨ましい限りだと軍事国家の重鎮である青年は小さく息を吐いた。彼の後ろからついてくる部下も自国とは違った
雰囲気を醸し出す町並みに目を奪われている。その浮ついた心を叱咤しようかとも思ったが、他国でそのような
醜態を晒すのもかなり見苦しい。そう思い男は今のところは大目に見る事にし、王城を目指して足を進める。

「・・・・・・・お前たちはここまででいい。戻れ」

城門間近に迫って、男は部下を下がらせた。いくら友好国といえど武器を所持した他国人が何人も足を踏み入れる
わけにはいかないし、彼らには王城に入れるほどの身分がないというのもある。ローランディアは豊かで自由な国だが、
決して身分差がないわけではなかった。それに基本的には気安いが、得体の知れぬ者はとことん嫌う。その中に以前まで
含まれていたある人物を思い出し、男は真紅の双眸を若干細める。つい最近まで魔物と忌み嫌われていながら
今ではその名を知らぬ者などいないほどに高名な英雄へと昇り詰めた、いや英雄にさせられた青年を思って―――

「・・・・・・・・・・・勝手な奴ばかりだ」

まあ、勝手なのは自分も同じか、とフンと鼻を鳴らし、男は何度も訪れている歴史ある王城の城門を潜った。
それから、与えられた職務―書簡を新たに即位したコーネリウス王へと提出する事―を終えると、後は引き上げる
だけなのだが、男はついでなので城内である人物を探し出す。執務室で缶詰になっていてくれれば探しやすいが、
彼は外交にも忙しい身分だ。ひょっとすれば仕事で城を空けているかも知れない。それならば、わざわざ待ったりせず
まっすぐ帰国しようと思っていたのだが、見つけた。流石によく目立つ。彼はまだ此方に気づいていないようだが
声を掛けるのも癪だったので男は無言で歩み寄った。しかし。

「おい、カーマイン!」
「!」

男が呼ばなかった代わりに青年―カーマインは別の人物に呼び止められた。その人物は黒のレザー服を纏った
巨漢で目には紅く光るこの世に唯一つの義眼、右腕には金色の義手。ある意味でカーマイン以上に目立つ、
ローランディアきっての武将、ウォレス将軍。その昔は男と同じくインペリアルナイトに就任出来るだけの腕前を誇った
という偉人だ。今もその腕前は衰えていないらしい。恐れ入る事だ、と感嘆の念を抱きながらも、カーマインと何やら
話し始めてしまった彼に男は微かに眉間を顰めた。別に此方が遠慮せずとも普通に話しかければいいのかも
しれないが、急に割って入っては多少失礼が生じるであろうし、最悪余裕のない男に取られるかも知れない。
それは御免だと男は静かにその場に留まった。

「・・・・・・・・・・・・・・・」

憮然と腕を組みつつ、ウォレスがカーマインと分かれるのを待っていたのだが、中々二人は離れない。
それ以前に数十メートル離れた所に立っているとはいえ、これだけじっと視線を送っているのに気づきもしないとは、と
男は徐々に不満を露にしだした。もし、カーマインと一緒にいるのがウォレスでなければ矜持を捨ててでも邪魔を
しに行くのに、と軽く舌打ちする。男は我慢には長けていたが、こういった色事が絡む場合は途端に自制心が
脆くなる。それが自分らしくなくて、余計に苛立つ要因になっていた。暫く悩んで、男はこうして待ち続けているのも
馬鹿らしい、と思うようになり、一つ溜息を吐いて踵を返そうとしたのだが。

「あ、アーネスト?」

漸く男の存在に気づいたらしいカーマインに声を掛けられ、もう心は帰る気になっていたため、やや緩慢な動作で
振り返る。手招きをされたので、内心でお前から来い、などと不遜な事を思った男―アーネストは仕方なくそちらへと
足を踏み出す。紅蓮の裾がまた空に靡いた。毅然と背を伸ばし、慌てる事なくゆったりとした足取りでカーマインと
ウォレスの元へやって来たアーネストはカーマインを一瞥してから、礼儀に基づいて年長者のウォレスに軽く会釈した。

「・・・・・・ご無沙汰しております、ウォレス将軍」
「何だ、そんなに畏まる事ねえよ。大体身分で言えば公爵のお前さんの方が断然上だろう」
「・・・・・・・・・いえ、身分に礼節を捧げているわけではありませんので」

少しムスッとした様子でアーネストはウォレスに返す。上流階級に生まれたアーネストはそれだけ慇懃な礼儀を厳しく
躾けられてはいたものの、自分が認めた人間でなければ例え自分よりも身分の高い者にでさえ、頭を下げはしない。
つまり自分よりも身分が低いウォレスに頭を下げたという事はプライド高い彼がウォレスをそれだけ認めている、という事だ。
しかし、どれだけ認めていても、アーネストはウォレスをあまり快くは思っていなかった。それは色めいた仲の自分の前でも
そんなに甘えた態度を見せないカーマインが、ウォレスには実の子のように時にべったりと甘えているのを度々目にする
からだ。他人に言わせればそれは単なる嫉妬に他ならないが、先から述べている通りアーネストは自尊心が人一倍強いので
そう簡単にそうとは認めない。ただ、生理的に気に喰わない相手、とだけ認識していた。内心で顔を顰めるアーネストに
今まで蚊帳の外の存在だったカーマインが声を掛けた。

「あ、アーネスト。・・・・・・仕事で来たのか?」
「・・・・・・・・それ以外に何があると?」

カーマインが何を期待しているか知っていて、アーネストはそっけなく返事をする。二人きりならばもう少しくらい
愛想を見せたかもしれないが、苦手なウォレスの前だ。あまり、そういった甘い感情を出したくはなかったらしい。
そんな事とは露も知らぬカーマインは少しだけ眉根を寄せて、しかしすぐに人当たりのいい笑顔を取り戻す。

「そうか、今から帰りか?」
「・・・・・・・・・ああ」
「少し、寄ってけるか?」

期待の眼差しで見上げられる。微かに子供っぽい表情。それは珍しくて惹かれそうになったアーネストだったが、恐らく
その表情を引き出したのは己ではない。父のように慕っているウォレスが隣に立っているから、きっとそんな表情をするので
あろう。そうと気づいたアーネストは感情を隠すのが上手い彼にしては随分と露骨に仏頂面を垣間見せた。それを自分の
質問に対する態度だと勘違いしてカーマインは先ほど以上に何処か憂いを面に乗せる。

「・・・・・・・あ、悪い。忙しい・・・・・のか」
「・・・・・・・・・・・・・・・何?」
「ごめん。俺・・・・・君の都合も考えないで・・・・・・」

徐々に萎んでいく声に流石にアーネストは罪悪感を覚えた。例え、カーマインが一方的に勘違いをしているのだと
知っていても。何とか慰めようと手を伸ばしかけた時、ウォレスが割って入った。

「おい、ライエル。ちぃとばかしコイツに冷たくねえか」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

今まさに慰めようとした瞬間に窘められた。しかも自分があまりよく思っていない人間にだ。当然、アーネストの機嫌は
悪くなる一方で。半ば不貞腐れたようにアーネストは顔を逸らす。それを見たカーマインは更に申し訳なさそうに身を
縮込ませる。傍から見ればまるで小動物のようだ。

「あ、ウォレス・・・・俺が悪いんだ。アーネストが忙しいの知ってるのに・・・・・」
「だが、お前・・・・・・・」
「いいんだ。アーネスト、引き止めて悪かった。もし、時間があればお茶にでも付き合ってもらおうと思ったんだが・・・・・」

忙しいのならウォレスに来てもらうよ、と少し残念そうにはにかまれてアーネストは内心気が気でない。
自分と過ごす予定の時間を他の男に取られるなんてまっぴら御免だ。そうは思うものの、忙しいと勘違いされてるのに
無理に今更平気だと言うのも随分と格好悪い。取るに足りないプライドがアーネストを束縛する。悩んでいる間に
カーマインの言葉に「そうか」と呟いたウォレスがカーマインの細い肩に腕を回し、踵を返そうとしているのが目に入って
ちり、と胸の奥が焼ける音がするのを彼は聞いた。

「・・・・・・待て」

気づいた時にはアーネストはカーマインの肩に回ったよく日に焼けた逞しい腕を払いのけ、カーマインを自分の方へと
その細身の身体に大きく掛かるであろう負荷を考えもせずに力尽くで引き寄せていた。それを弾かれるように振り返って
見咎めるウォレスと視線が合い、アーネストは知らず不敵に笑う。ウォレスが此方を見ているのを承知で、アーネストは
自分の胸へと背からぶつかって来たカーマインの顎を背後から掬い取り、無理やり上向かせると吐息ごと飲み込むように、
柔らかな唇を塞いだ。突然の事に、しかもウォレスが見ている前で強引に口付けられて、カーマインはぴったりと
合わさった唇から声にもならない呻きを上げる。

「ん、・・・・んー、んんぅ・・・・・!!」

しかし、随分と無理のある体勢のせいでろくに抵抗が出来ない。身体を沈ませないようにするので手一杯だった。
それどころか、アーネストの舌が唇をなぞったかと思えば、すぐさま歯列を割ってカーマインの口腔へと侵入してくる。
そのまま口内に忍び込んだ熱い舌がカーマインの逃げ惑うそれを捉えて離さず、時折強く吸われ、カーマインは
なすすべもなく、翻弄されてしまう。やっと息継ぎのために解放されたカーマインは既に呼吸困難に陥っていた。
それには特に気を留めず、呆然と二人を見ているウォレスに向かってアーネストは滅多に浮かべぬ笑み、それも
極上の愛想笑いを形作ると、息を整えているカーマインを肩に背負い込み、告げた。

「こういう事ですので、私はそろそろ失礼させて頂きます」
「・・・・・なっ・・・・・ちょ、アー、ネ・・・・・・・・・」

アーネストの肩の上でカーマインが抗議しようとしているが、未だに息が乱れているようで言葉らしい言葉にならない。
その隙にさっさと言いたい事は言っておこうと反応を返せずにいるウォレスにアーネストは更に言葉を続ける。

「コレは私のですから、責任持って世話致します。ですので将軍は気にせずお戻り下さい」

更ににこにこと微笑むアーネストに底知れぬ恐怖を感じて流石のウォレスもコクリと頷く事しか出来なかった。
そしていらぬ火の粉を飛ばされる前に、とカーマインに「頑張れよ」とよく意味の分からぬ言葉を残してさっさと踵を返し、
回廊の奥へと去って行ってしまった。二人きりになるとアーネストは顔に貼り付けた笑みを取り払う。
そして頬を真っ赤に染めた自分の上にあるカーマインの白皙の面を見遣る。目が合った瞬間、カーマインが大声で怒鳴った。

「ア、アーネスト!!何て事するんだ・・・・・!!」
「・・・・・・・何って、キスをしただけだろう?」
「しただけって・・・・・ウォレスが見てたのに!!」
「・・・・・・・・・・・そんな事、構うものか」

フンと鼻で笑い飛ばしてアーネストは羞恥でか、酸欠でか、怒りでかは判別しがたいが耳まで赤くなったカーマインに
からかうように再び口付け、反抗的な目で睨みつけてくる彼に薄く微笑う。

「・・・・・・先に見せ付けてきたのはお前の方だぞ、カーマイン」
「・・・・・・・・・・・・・・・え?」

言われた事が本気で分からないらしく、カーマインは大きく首を傾げた。それにわざわざ説明してやるほどアーネストは
お人好しではない。カーマインの疑問は無視して、色違いの眼差しへと手を翳す。

「お前の瞳が追ってもいいのは、この俺だけだ」
「・・・・・・・・・・・・アーネスト?」
「・・・・・・余所見をするくらいなら、潰してやろうか・・・・・?」

スッと、瞼を撫でる。アーネストの口元は酷薄に歪んでいた。狂気を感じさせるその表情にカーマインは彼のあまりに不器用な
愛情を見出して。切なげにその歪んだ表情を見下ろす。そっと、彼の冷たい頬へと細い指先を触れさせた。

「・・・・・・アーネスト・・・・。君が何の事を言ってるのか・・・・よく分からないけれど、それで君の気が済むなら、いいよ?」
「・・・・・・・・・何だと・・・・・・・・・・?」
「いいよ、目を潰されても、身体があれば君の事を感じ取れる。耳があれば、君の声を拾える。だから、いいよ・・・?」

目くらい無くなったって構わないと。穏やかに告げるカーマインにアーネストは絶句した。指先に微かながら震えが
混じる。アーネストはじっとカーマインを見上げたが、彼のとても安らかな表情は恐怖に移り変わる事なく、そのまま
優しく笑んでいて。胸の何処かが軋んだ音を立てるのを感じた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

アーネストは何とも言えぬ表情を浮かべるとカーマインの小作りな顔を片手で掴み、自分に引き寄せると、
驚いたように目を見張る彼の色違いの眦に唇を寄せ、ねっとりと舌を這わせる。初めに左、次に右と両方の瞼を
舐ると顔を鷲掴んでいた手を外し、微かに、何の悪意もない柔らかな笑みを浮かべた。

「気が変わった。・・・・・・その眼差しが俺だけに行くように、呪いをかけた」
「・・・・・・・・・・・・・・・・!」
「だから、ずっと俺だけを見ていろ」

次からの余所見は許さん、と一言漏らすと、アーネストはカーマインを抱えて彼の部屋へと向かう。
慌てたのはカーマインだ。

「ちょ、アーネスト!?何処に・・・・・・・!?」
「・・・・・・・?何だ、茶に付き合って欲しいだとか言っていただろう・・・・?」
「え、あ、何だ・・・・・そ、そうか・・・・・・・・・」

ほーっと息を吐くカーマインにアーネストは一瞬意味が分からず眉根を寄せたが、今までのやりとりできっとカーマインが
また勘違いをしたのだろうと思い至る。口の端を上げた。

「・・・・・何だ、何をすると思っていたんだ、カーマイン?」
「え、な、・・・・・何って・・・・・・・」

落ち着きかけていた白い頬をまた物凄い勢いで染め上げていくカーマインにアーネストは自分の予想が外れていない
事に気づく。まあ、いつもの行動パターンを思えば、そういう風に取っても仕方ないだろうとは思いつつ、人の肩の上で
あわあわと落ち着きないカーマインにアーネストはトドメを放つ。

「何かよからぬ事を考えたのではないか?何、お前がその気ならそうしてやろうか・・・・?」
「よ、よからぬ事って・・・・・そ、それにその気って何の事・・・・・・」
「いつものように、寝所で可愛がってやっても構わないと言っている」

綺麗に微笑みながら言われた言葉にカーマインは先ほど以上に顔を真っ赤にし、言葉にならない妙な声を
上げている。アーネストはそれを見てクツクツと咽喉を鳴らして笑い声を立てた。

「な、俺をからかったのか、アーネスト!!」
「からかう?何の事だ。俺はただ寝所で可愛がると言っただけだ。具体的な事は何も言っていないが?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・ッ///////」
「そんなにシて欲しいのならもっと上手く誘ったらどうだ・・・・・?」
「な、ち、違う!!わ、笑うなアーネストー!!」

大声で喚き続けるカーマインにアーネストはひたすら笑い続け、そのままカーマインの最初の要望通りに素直に
お茶に付き合ってやる事にした。その後に何かがあったかどうか聞くのは・・・・・野暮というものだろう。ただローランディア城の
一室で恐怖とは違った悲鳴が木霊していた事だけ明言しておく事にする。





fin



篝火花、とはシクラメンの事です。花言葉は「内気、はにかみ屋、嫉妬」です。
一応嫉妬をメインの意味にしていますが、カーマインははにかみ屋でもいけるかもしれませんね。
というか、もう黒アニーさん、独占欲がつっよいですねー。白アニーとはちょっとその方向性が
違うというか白アニーは嫉妬しててもカーマインに当たらないんですね。相手を殺りに行きます(性質悪い)
そして何気にウォレスさん貧乏くじ。目の前で見せ付けられてしまいました。
影で自室に篭もって泣いてればいいと思います(ここにアニーを上回る黒い奴が・・・・!)
表作品なのに既に露骨な表現があってすみませ・・・・・・破廉恥サイトかここは(涙)

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