× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 ※CAUTION 当作品は18禁です。 18歳未満の方、801という言葉に嫌悪を 持たれるお方は閲覧しないようにして下さいー。 酒が入れば、大抵の人間は多少なりと人格が変わる。 普段は押し隠した一面が、外側へと滲み出すものだ。 だから、見たかった。 普段は取り澄ましたアレの、いつもは見えない内面。 酔った顔も、箍が外れた心も。 ただ、見たかった――― 月の悪戯 裏Ver. コトリ、コトリと。長身の男が薄暗い酒蔵から洋酒のボトルを何本か取り出していく。 強いものと、軽めの甘いもの、色が鮮やかなもの、自分の気に入りのものなど、それなりに考えて。 何とか納得の行くものを選び抜いたアーネスト=ライエルは間もなく来るであろう客人を迎える為、 五本に渡る酒瓶を手にすると、酒蔵を後にする。そのまま、グラスや氷のあるキッチンにそれを運ぶと 丁度屋敷の外から呼び鈴が響いてきた。思ったよりも早いなと、そんな事を思いつつ、アーネストは来客を 出迎えに玄関へと歩を進める。その途中、大窓から覗く冷え切った大気に燦然と輝く寒月に目を留めた。 一点の曇りも霞みもない、夜空の王の如しそれは美しくもあり、何処か拒絶感を露にし、静かな苛烈さを秘める。 何となく自分に似たものがあるとでも思ったのか、アーネストは口の端に僅かの笑みを浮かべると再び 呼び鈴の鳴った玄関へと向かい、扉を開いた。 「・・・・・早かったな」 ドアを開けた早々にそう口にすれば、外で白い息を吐きながら何とも言えぬ表情で立ち竦んでいたカーマインが 小首を傾ぎながらも「急いだから」と返事をし、アーネストが招き入れるのをただじっと待っている。カタカタと、寒いのか 微かに震えているのが見て取れたが、カーマインはそれでもアーネストを急かす事はなくじっと待っていて。 このまま何も言わずにいたらどれくらいまで辛抱するのだろうか、などと鬼畜めいた事を考えたアーネストだったが 自分が招いた手前、風邪を引かせるわけにもいかず、仕方なく「入れ」と一言告げて邸内へと招き入れる。 「・・・・そういえば、震えていたようだが外は寒いか」 「ああ、そうだなこっちはローザリアよりもずっと気温が低くて・・・寒いな」 「まだ暖かい方だ、王都の方に比べれば」 「・・・・へえ、バーンシュタインは大変だな・・・・」 廊下を歩いている途中、カーマインが自分の手に息を吹きかけて暖めているのを目にしたアーネストが何気なく 問えば、カーマインは僅かに顔を上げて答える。妙に感慨深げに呟かれた一言からは、どうやら彼が寒さに弱いので あろう事を窺わせた。アーネストはにやりと笑う。酒を出すいい口実が出来た、と。 ◆◇◆◇ 「好きな所に落ち着け」 リビングにカーマインを通すとアーネストはソファに彼を座らせ、キッチンに用意途中の酒を取りに戻る。 残されたカーマインはやはり先ほど同様じっと座ってアーネストが戻ってくるのをじっと待つ。しかし耳に届くグラスに 氷を落とす音に不審さを感じたのか、アーネストの様子を見ようと腰を浮かしかけた。けれども実際に立ち上がる前に アーネストがトレイにグラスと洋酒のボトルを用意して戻ってきたのでストンと細腰は元の通りソファへと沈められる。 座り直したカーマインは、アーネストと彼が手にしているボトルを交互に見遣ってからそっと首を傾げた。 「・・・・・それ、お酒?」 「そうだ」 簡単に質問に答えるとアーネストはトレイを机に置き、いつもならカーマインの正面に座るところを、今日はいつもより 近い位置でカーマインの様子を見たいと思い、じっと目でアーネストの動きを追っている彼の隣りに腰を下ろした。 それからゆっくりと横を向けば、カーマインが不思議そうな顔をして自分を見ている事に気づき、説明するのも面倒だ、と 無言で氷入りのグラスの方を眼前に差し出す。そうすれば途惑いながらもカーマインは黙ってグラスを受け取る。 しかし言葉なしではやはり疑問は消えないらしく「・・・・・アーネスト?」と声を掛けてきた。それに対しアーネストは、何て 言おうか考え、取りあえず酒を出した理由を答える事にする。あくまで、表面的の。 「身体を温めるにはコレが一番手っ取り早い」 そう言って、何か言い返される前にアーネストは空のグラスにボトルの中身を注いで飲み干す。もう、慣れて しまったが並の人間にはおそらくキツいだろうアルコールの強さ。自分は慣れているからいい。しかし、未成年の カーマインはそうではないだろうと横目で彼の様子を窺う。そして思った通り、彼は一口飲んだだけで喉を押さえて 蹲ってしまっている。あまりに己の予想に違わぬ彼の有様にアーネストは口の端を持ち上げた。 「何だ、キツかったか?」 「・・・・・だ、ってこれ、強い・・・・・」 「ちゃんとロックにしてやっただろうが。俺はストレートだぞ?」 「・・・・・・・・・・俺はあまり飲まないんだ」 「この程度を飲めないようじゃ、まだまだ子供だな・・・・・」 挑発めいた台詞に睨みつけてくるカーマインに、笑みを崩す事なくアーネストは二杯目をグラスに注ぐ。 それを口元へと運ぼうとしたところで横から伸びてきたカーマインにグラスごと奪われる。何かを言う前にカーマインは 奪ったグラスの中身をよせばいいのに一気に飲み干した。ロックの一口でも辛そうなのに、ストレートでグラス一杯は かなり無理があるだろうに。それでも彼は「どうだ」と訴えかけてくる。相当な負けず嫌いだなと思いつつ、そこは敢えて 無反応でアーネストは通す。何故かといえばいじけたカーマインの顔を見たかったからに他ならない。その要望通り カーマインは拗ねたように横を向いた。滅多に見れない子供のようなその表情。アーネストはボトルのラベルを 見遣りながら笑った。それから早くも酔い始めているカーマインの様子を窺う。 「・・・・・・おい?」 「・・・・・・・・・ん、なぁに?」 「・・・・・・・・・・・・・・」 間近に目にするカーマインは瞳を蕩けさせ、頬を高潮させている。口調も幼く何もかもが珍しい。思わずアーネストは 目を引かれる。しかし、無反応なアーネストに飽きたらしいカーマインは別のボトルに手を掛ける。 「・・・・ね、これなぁに?」 「・・・・・・・アモンティリャード・・・・シェリーの一種だ。本当はそっちがお前用だった」 「なんでー?」 「・・・・・・・飲めば分かる」 そう勧めるとボトルのキャップにカーマインは手を掛けるが、酔いで上手く力が入らないらしく、視線で「開けて」と訴えて くるので一つ息を吐いて開けてやる。カーマイン自身は全く自覚がないようだが、その表情は段々と色香を帯びてきていた。 己が見たいと思っていた筈の表情。しかし、想像以上に煽ってくるそれは少しばかり心臓に悪い。アーネストは誤魔化す ようにキャップを開けたボトルをカーマインに引き渡した。 「・・・・・・・開けてやったぞ」 「ありがとー」 「・・・・・しかし、酒は飲まないんじゃなかったのか」 「だって飲めないと、アーネスト馬鹿にするんだもーん」 本当に五歳児くらいの子供を見ているような心境になりつつもテキーラに比べて軽くて甘い口当たりのシェリーにご満悦な カーマインを見てアーネストは自分も違うボトルに手を出す。そのまま何杯か楽しむが、不意にカーマインが動きを止めたので そちらに気をやる。そっとカーマインの眼前に手を翳した。それに気がついたカーマインは真っ赤に茹だった顔を上げる。 それからいつもの毅然とした表情とは全く違う娼婦のような艶やかさと、幼子のような甘さを携えた瞳でアーネストを囚え、 にっこりと綺麗に微笑み、普段ならば到底しない自分からのキスを微動だにしないアーネストの唇へと贈った。 「・・・・・ん・・・・ふぁ、お酒の味が、する」 「・・・・・・・・だろうな」 予想外の事にアーネストは僅かに目を見張ったものの、やがて首に腕を絡め、舌を入れてきたカーマインの腰を抱え、たどたどしく 口内で蠢くカーマインの舌を受け止めてやる。口腔がアルコールの匂いで満ち、舌先がぴりと痛む。普段では味わえぬ状態に内心 まんざらでもないアーネストは暫くそうして唇を重ねていたが、急にカクリとカーマインの身体が後方へと傾いだ為、ほんの少しだけ 慌てて細身の身体を受け止めた。顔を覗けばカーマインは頬を染めたまま、深く瞳を閉じて眠ってしまっている。予兆すら見せぬ 唐突なその有様にアーネストは呆れて大きく溜息を吐く他ない。本当の事を言えば、いつもとは違う様子の何処か可愛らしく淫靡な 様子のカーマインにかなりアーネストはその気になっていた。故に、細い眉は見事に皺寄り不機嫌な表情を露にする。生憎相手は 潰れているのでその様を見る事は出来ぬが。 「・・・・・・全く、煽るだけ煽っておきながら・・・・・いい身分だな貴様は」 すうすうと穏やかな寝息を湛え、アーネストとは対照的に幸せそうな表情で寝こけるカーマインにアーネストは恨みがましく告げるが、 当然何の反応も返っては来ない。しかも酒が入った上での眠りではきっと起こしたところで起きはしないだろう。更に溜息が重くなる。 しかし、そこでアーネストははっとした。 「・・・・・・どうせ起きんのだったら・・・・・」 悪戯してしまおう、とそれはそれは見事なまでに黒い微笑を浮かべ、抱えたカーマインの肢体を向きを変えてソファに横たえると、 柔らかな桜色の唇をそっと親指の腹で撫で上げ、額から順に口付けを下へと降ろしていく。瞼を掠り、頬を辿り、唇を蹂躙して 更に顎のラインをツイと舌でなぞり、首筋まで下ると服でも隠し切れないであろうギリギリの箇所にわざと吸い付いて所有印を残す。 白い肌に紅い花が可憐に咲いた。これは放って置かれた事への意趣返し。くっきりと残る痕にアーネストは満足げに口端を 持ち上げ、ぺろりと舐める。うっ、とカーマインが小さく呻いた。しかし、意識はない。身体だけが無意識に既知の感覚に反応 している。仕返しも済んだ事だしこの辺で止めておこうかと思っていたアーネストは、思わぬ反応にほう、と小さく呟いた。 「・・・・無反応なら止めてやろうと思っていたのにな。・・・・・可哀想に」 聞こえてなどいないだろうが耳元で囁いて、そこに舌を突き入れる。びくりと白い肌が波打った。アーネストは愉快そうに朱に色づいた 耳の裏側を舐め上げ、歯を立てる。いつもより、強めに。カーマインのうっすら開いた唇から小さな息が漏れた。常なら意識して 抑えられるそれも、泥酔状態では素直に吐き出される。それは堪らなく甘美な誘い。大した罪悪感も躊躇も感じさせず、アーネストの 指先はカーマインの服の中へと忍ばされる。腹部を撫で、身体のラインを指先に覚えこませ、胸を探り出す。ただそれだけの事で 細い肢体はピクリピクリと跳ね、深い吐息がアーネストの耳に届いてくる。気をよくしたアーネストは先ほど捉えた胸の尖りを 親指と人差し指で転がし、既に露になっている白い肌に首筋同様、痕を刻んでいく。刺すような、しかし何処か甘い痛みに カーマインはもはや吐息どころか喘ぎすら口に上らせるようになっていた。 「・・・・あっ・・・んぅ・・・・・」 「・・・・・・・本当に、お前は感じやすいな」 眠りに陥っていれば、嫌でも感覚が鈍る筈なのに。身体を弄られてカーマインは常と変わらず反応する。それは頭で考えるよりも先に 真っ白な肌がアーネストの指先を、舌を、吐息を、唇を、愛撫をしっかりと覚え込んでいる証とも言えるか。不意に笑いが込み上げて フ、と小さく息を吐くとアーネストは指先に捉えた方とは逆の胸の頂に笑みを敷いた唇を落とす。それから形を確かめるように舌を 這わし含み取り、時折戯れるように歯を立てる。一つ刺激が与えられる度にカーマインは呻き、喘ぎ、身を捩らせる。瞳をずっと 伏せたまま。抵抗の一つもない、いつもとは違う状態の情事。妙な好奇心がアーネストの内心で沸々と込み上げた。するりと、 今まで使われなかった空いた手が、緩やかに腹をなぞって、下肢へと下ろされる。微かに反応を示し布地を押し上げる雄を半ば 掴み上げるように撫で、本当にとても愉しそうにカーマインを啼かせる。熱く、忙しない息遣いが室内を満たしていく。 「・・・・・はっ・・・・・ぁ、・・・・あっ・・・・・な・・・?」 「・・・・・・何だ、もう起きたか?」 快楽が過ぎたのか、深い眠りに囚われていた筈の金銀妖瞳がぼんやりと開かれ、真上にあるアーネストの顔をゆらゆらと映し出す。 しかしまだ完全に覚醒したわけではなく、目元まで紅く染めた細面は状況がよく分からずに、悦に引き摺られ淫靡に歪む。 下肢を愛でるアーネストの大きな手が、レザーパンツの前を寛げ、下着の中へと侵入すれば、カーマインは堪らず声を上げた。 アルコールで理性が麻痺しているのか、それともただ単に自分の置かれた状況が理解出来ていないのか、抑えられる事のない 嬌声はひたすらアーネストの口角を持ち上げさせる。 「・・・・・・今日は、随分と淫らに啼くな」 「・・・・ふぁ、・・・・やっ、あ、あ、・・・・アーネ・・・・ト」 「抑えるなよ?つまらなくなる」 喉を震わせながら、アーネストは言うと胸に這わせていた唇を下衣を剥いで暴いた滑らかで柔らかい腿へと移す。舌先が 脚線を形取り、ところどころに吸い付いて痕を残す。脚の間で雫を零して泣いているカーマイン自身は手で押さえるだけに留め、 いっそ優しいほどの愛撫で悪魔のように甘く追い詰めていった。 「あ、・・・・アーネ、スト・・・・あぁっ」 「・・・・・・どうした?」 「ん・・・・な・・・・で、こん・・・な?・・・・・あ、だめ、焦ら、さな・・・で」 「・・・・・酒が入るといやに素直だな。ちゃんと強請れば、好きにしてやろう」 涙声で訴えかける起き抜けのカーマインに、アーネストは意地悪く微笑むとカーマインの雄を押さえたまま、奥の蕾を 大胆に舐め上げ、一瞬慄いたそこに躊躇いなく舌を突き入れた。体内の粘液と唾液が絡まって卑猥な水音を奏でる。 快楽に犯された細身の肢体は艶やかに撓り、アーネストの手の内の放って置かれたもっとも敏感な箇所はひたひたと蜜を 流し続けていた。それに気づかぬ筈はないのにアーネストは無視を決め込んできゅうと舌を締め付ける可憐な部位を潤し、 続けて長くしなやかな指先で苛め出す。カーマインはどうしようもない悦と疼きにどうしていいか分からず身を震わしながら泣く。 もう、強請る前に後ろだけの愛撫で達してしまいそうだった。 「あ、アーネ、・・・ト・・・・もう・・・ひ、あっ」 「何だ、イきそうか?」 揶揄混じりの言葉にカーマインは瞳を潤ませて頷く。しっとりとかいた汗と涙が入り混じった雫が頬を伝って落ちる。 光を弾くそれが綺麗だとアーネストは緋色の眦を細めると、一切の指の動きを止めた。突然止んだ愛撫にカーマインは 驚いて異彩の瞳を見開く。 「・・・・・あ?」 「言ったろう?望みがあるなら強請ってみせろ」 「・・・・あ、・・・・・・ッ・・・・お、願い・・・いじわるしな・・・で・・・・イかせて」 「・・・・・・したつもりはないが、いいだろう」 白々しい台詞を吐いて、アーネストは蕾を犯す指を全て抜き去ると、カーマインの軽い身体を抱き起こし、自分の膝の上に 向かい合わせで座らせる。それから止める間もなく、カーマインの身体をアーネストの昂った熱が貫いた。 「や、違っ・・・・・ひあっ、あああぁっ・・・!」 「・・・・・・聞こえんな」 「ひっ・・・・・・っんぁ・・・アーネ、スト・・・んっ・・・」 恐らく、挿れる前に一度達する事を望んだのであろう事は分かっていたが、意地の悪いアーネストはそうとはせず、 カーマインを遠慮なく深く、強く突き上げる。文句の言葉は貪るように激しく吐息を奪う事で押さえ込む。非常に今更では あるがもはや悪戯で済ます気など到底なかった。誘うような収縮に合わせたり、逆らったりを繰り返し腰を進める。 それから段々とカーマインから酔いが抜けてくるのが分かると、サイドにある机から酒瓶を引き寄せ、口移しで飲ませ、 また理性を奪い強請りや卑猥な言葉を吐かせ、実に愉しそうに責め立てた。 「・・・・・・こういうのも偶には、悪くないな・・・・カーマイン」 未だ嘗てないほど乱れに乱れるカーマインを瞳を細めて見遣りながら呟き、当初の目論見通り、アルコールによって 露になったカーマインの秘められた一面を夜が更けるまでアーネストは味わいつくし、悪戯の成功と更に募るカーマインへの 愛おしさにはっきりと甘い微笑を浮かべた。 ◆◇◆◇ ずっと、見たかった。 普段は取り澄ましたアレの、いつもは見えない内面。 酔った顔も、箍が外れた心も。 ただ見たかった。 そうして目にした新たな一面は、 ―――更に慕情を募らせ、俺を狂わす。 fin 表にあるものの裏Ver.というわけで・・・・。 もう悪戯の領域を超えてますね(泡)そして段々黒アニーさんの鬼畜度が 増してきております。この方最終的にどうなるのか私今から心配でございます(殴) えー、夕紀様大変遅くなりましたが表と併せてお納め下さい。 そして無駄に情事が長くてすみませ・・・・(この変態!) 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