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※カーマイン猫+子供化です。




愛しさが胸に拡がるのと、
毒が身体を侵すのは何処か似ている。




それは拡がる毒のように






「・・・・おい、起きろ」

傷が治るまではベッドを貸していてやろう、と寝椅子で身体を縮込ませながら眠っていた男は、
一つ伸びをしてからそのベッドを明け渡した子供の小さな肩を揺する。珍しく、傷に障らないようになどと
気を遣いながら。しかし、力を抜いての優しい起こし方では眠りの深い子供を起こす事は出来ない。
肩に触れる大きな手から逃れるように幼子はころりとベッドの上を転がった。

「・・・・・・・・・・・やれやれ」

形だけの溜息を吐いて、男はゆっくりと口の端を持ち上げる。
きしりとスプリングを軋ませて、すうすうと眠っている幼子に影を落とすよう乗り上げた。
それからシーツに頬を摺り寄せる幼子の丸みのある顎を掴んで上を向かすと、空いた片手で筋の通った鼻を摘み
仕上げに柔らかな唇を己のそれで以って塞ぐ。ぴったりと息が出来ないように隙間なく。
最初の10秒ほどは無反応だった組み敷かれた小さな身体も20秒を超えるとがくがくと震えだす。
目覚めは近い。それが分かったが男は口を離さない。どころか、無抵抗な幼子の口腔に濡れた自分の舌を
押し付け、音が鳴るほどに淫らに犯す。

「・・・・・・・ん・・・ふぅぅ・・・・?」

容赦なく舌を絡められ、息を止められ、ぎゅうと目を閉じていた幼子も流石の苦しさに目を醒ましたらしく、
鼻にかかる甘い声を漏らした。全力でその息苦しさから逃れるために上にいる男を引き離そうとしているが何処から
どう見ても幼子と男では子供と大人。当然力では適う筈もない。更に深く口の内を蹂躙され、幼子は意識を
失いそうになる。しかしその瞬間を見越していたかのように男は身体を離した。ようやく解放された小さな身体は
自分から退いた男など視界に入っていないのか、ただ懸命に失った酸素を取り戻そうと深呼吸を繰り返す。
激しく上下する平らな胸を見遣りながら男は焦点のあっていない幼子の色違いの瞳へと身を乗り出し、金と銀の
色合いに自分の姿が映っているのを確認すると、ふんわりと紅色の冷たい瞳を細めて微笑んだ。

「目は覚めたな?」
「・・・・・・ふ・・・・っく・・・・・」
「・・・・・・・返事は?」

苦しさから解放された安堵からか、それとも己にそんな苦しみを与えた男に恐怖したのか返事もなく泣き濡れる幼子に
男は優しくする気配もなく、それどころか幼子の弱点である尻尾を緩く自分の腕に巻きつけながら返事を促す。
ほんの少し触れられるだけでも身体にぞくぞくと這い上がってくる甘い痺れに堪え切れぬ幼子は、大きく首を縦に振った。
本当ならば上ずっているであろう声を聴きたかった男ではあったが、苛めすぎも良くないかと判断し、仕方なく納得する。
それからやや怯えの浮かぶ幼子の眉間を指の腹で撫で、滑らかな頬を下る涙を慰めるように舐め上げた。

「・・・・・・・あっ・・・・」
「顔がぐしゃぐしゃだな。洗って来い、カーマイン」
「・・・う、うん・・・・・」

ぐしゃぐしゃになるほど泣かせた張本人からの言葉に異を唱える事もなく、幼子―カーマインは顔を洗うために
起き上がり、素足には少し冷たいフローリングへと着地する、つもりであったのだが、どうにも足に力が入らず着地と
いうよりは床に落ちた。べったりと腹を床に着け間の抜けた格好になる。その姿をじっと緋色の視線が追っていたが
原因に気づいて立ったまま動こうともしなかった男は身を屈ませた。次いでぽつりと呟く。

「・・・・・腰砕け、か」
「・・・・・・・・・・?」
「もう少し免疫をつけといた方が良さそうだな」
「・・・・・・・・・な、に・・・・」

どうやら先ほどのキスで足腰に力が入らない様子のカーマインを片手で抱き起こすとお礼を言いかけた小さな口を
言葉ごと飲み込むようにして先程よりは多少加減して塞ぐ。ぺろりと触れ合った唇を男が舐めれば、細身の身体は戦く。
その可愛い反応に口角を持ち上げ、男は一度顔を離す。

「目を閉じろ、カーマイン」
「・・・・な・・・で・・・・?」
「それが礼儀だ」
「・・・・・・?・・・・・うん、分かった、アーネスト」

息を軽く弾ませ、言葉の意味は解せずとも素直にそうのたまったアーネストに従いカーマインは神秘的な異彩の双眸を
上に何か物でも乗りそうなほど長い睫で覆い隠す。それを確認してからアーネストは再び少しだけ唾液に濡れている桜色の
唇へ自分のそれを重ねた。それから間髪なく舌を入れ、奥で逃げ回る自分のより一回りは小さいそれを捕らえ吸い上げる。
けれど今度は息が出来るように時折離してやりながら。カーマインに慣れさせるように、口付けては離し、離しては口付ける。
初めは短かった口付けは、回を増すごとに深く長くなっていく。

「・・・・・・ぁ、・・・ふぁ・・・・・ん、ん」
「・・・・もっと力を抜け。それから逃げるな」

舌を絡ませろ、と低く腰に響く声をカーマインの頭上の耳へ吐息と共に吹き込めば尻尾の次に弱い箇所への刺激に
カーマインの目尻には再度雫が浮く。つられるようにして薄く開いた口端からどちらのものともつかない唾液が筋を描く。
綺麗な首筋へと垂れていくそれを顎からアーネストは舐め上げていくと、もうフラフラになっているらしいカーマインの痩身を
抱き留め担ぎ上げた。

「今日のところはこの辺にしておいてやろう」
「・・・・・・・・あぅ・・・・・」
「さて、汚れた顔を綺麗にしないとな」

汚させたのは己だが、そんな事は知った事かと棚に上げてアーネストは担ぎ上げたカーマインを洗面所へと運ぶ。
それから宙に浮かべた状態でカーマインに顔を洗うように促す。アーネストの腕の中で息を整えていたカーマインは
チラと一瞬アーネストの冷たく映る無表情を視線に捉えてから蛇口へと手を伸ばす。手近にあった石鹸を紅葉のような
手の中で泡立てると顔を洗い始める。ぱしゃぱしゃと軽やかに響く水温と共にしぶきが多少なりとカーマインと彼を
背後で支えているアーネストに掛かったが、まあアーネストは気にしない。何故かといえば、上に何も纏っていないから。
どんなに外が寒かろうが上着を着ないで寝るのが彼のポリシーだった。理由は色々とあるが一番の比重を占めるのが、
わざわざ夜着に着替えるのが面倒くさいという事。職場では生真面目などと言われてはいるものの実際は結構大雑把な
性格なのかもしれない。濡れた自身の剥き出しの腕とカーマインの顔をタオルで拭くと、ぷらぷらと浮いたカーマインを
床に下ろす。

「よし、次は着替えだな」
「あぃ。アーネストも!」

上着を纏ってないアーネストに何処か勝ち誇ったようにカーマインは声を高くするものの、言われたアーネストの方は
残念でしたとでも言いたげに肩を竦める。それから意地悪く口元を歪めて。

「残念。俺はこれからシャワーを浴びるんでな、着替えはいらない」
「・・・・・・!」

揶揄いを交えた言葉にカーマインはガーンという音でも聞こえそうなほど眉根を寄せてしょんぼりした顔を垣間見せる。
その顔は中々新鮮でアーネストは益々笑みを深くした。それに比例してカーマインの眉根は更に寄り、それだけに留まらず
不機嫌そうにぷくっと頬が膨らむ。いかにも子供といった表情。いっそらしすぎて愛らしいほど。アーネストは誘われる
ままに膨れた頬をむにと摘んだ。左右に引っ張る。そうすれば当然痛い。カーマインの瞳は潤む。アーネストは嬉しそうに
切れ長の瞳を和ませた。カーマインの泣き顔は可愛らしいから。

「お前は直ぐ泣くな」
「ふにぃ~」
「・・・・・・可愛い」
「・・・・・ふぇ?」
「もっと泣いて見せろ」

ことりと不思議そうに細い首を傾いだカーマインに鬼畜としか言い様のない台詞を吐きつつも、アーネストの不健康な
顔色には彼にしては珍しくとても柔和な笑みが滲んでいた。だから、言われた当人であるカーマインにはその言葉が
少なくとも酷いものには思えなかった。きょとんと元から大きな目を更に大きくして目前の綺麗な微笑を見つめる。
すっかり涙の止まってしまったカーマインにアーネストは表情を元の無表情に戻す。僅かに不満を乗せて。
けれど、泣き顔もいいがきょとんとしたあどけない表情もそれはそれで愛らしいと損ねた機嫌を修復し、まだ何処か
呆けているカーマインのピンと立った耳を軽く引っ張る。途端に。

「ひゃぁっ」

上がる悲鳴。白い肌は一瞬にして紅く染まる。その様子をもう暫く見ていたくてアーネストの長くてしなやかな指先は
ひくひくと動いている漆黒の耳を撫で擦った。さっきとは違って何処か愛撫するようにゆっくりと舐めるように。
そんなアーネストの思惑通りカーマインは弱点を責められ、身体を火照らせながら、悶え啼く。

「・・・は、・・・・ぁあ・・・・ふ・・・・くぅ、ん」
「・・・・・・悦い声だ」
「も、・・・んっ・・・・やぁ・・・・」
「ああ、また泣いたな」

何処となく嬉しそうな呟きと共にアーネストの指先はカーマインの耳から離れる。その代りに額や瞼、頬へ
雨のように薄い唇が降ってきた。意地の悪さと優しさを交互に織り交ぜてくるアーネストの振る舞いにカーマインは途惑う。
どちらを信じればいいのかと。そうやってカーマインが己を計りかねて困っているのを知っていてアーネストはまた
悪人では到底出来なそうな温かい瞳で見遣ってくる。カーマインの途惑いは更に深まった。おろおろと金と銀の瞳が
落ち着きなく彷徨う。その様子が愉快だと言わんばかりにアーネストはカーマインを観察している。

「・・・・お前は見ていて飽きんな」
「・・・・・・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」

するりと頬へと手を添えて、なぞるように顎へと移動させると小さな子供はころころと喉を鳴らす。
それに合わせるようにカーマインが一番喜ぶ所作、顎をアーネストは撫でる。擽ったそうに、気持ち良さそうに
軽い笑い声が響く。聞けば聞くほど、見れば見るほど引き込まれる、笑み。本人からすればそんな気など
微塵もないのだろうが、まるで誘っているようにカーマインはアーネストを惹き寄せ、囚える。
そして四肢を毒が侵すように、凍ったアーネストの胸に愛しさがゆっくりと拡がった。
微笑が邪笑に切り替わる。音もなく、そっと。

「・・・・・・アーネスト?」
「・・・ああ、何でもない。それより、お前も一緒に風呂に入るか?」
「・・・・・・・・・・ふぇ?」
「物は次いでだ。俺が洗ってやろう」

嫌か?とあまりにも分かりやすい邪心を平静な顔つきで巧妙に隠しながら問えば、そんな下心などさっぱり分かっていない
無邪気な幼子は特に何も考えず是と返す。元気のいい返事にニヤリとあまり宜しくない笑みを携え、アーネストは
お風呂を純粋に楽しみにしているらしいカーマインの軽い身体を抱き上げると、洗面所の直ぐ隣に位置する浴室のドアへと
手を掛け、タオルと着替えを手にするとパタンと静かに後ろ手にドアを閉めた。

その数分後。
シャワーの水温と共に幼子の助けを請う悲鳴と艶を帯びた嬌声が響いた事は館の主しか知らない。
憐れな事に愛らしい幼子に注がれるのは、四肢を侵す毒そのものな歪んだ愛情だけ、だった―――






fin




リクは黒アニーx猫主で「アニーが猫主を可愛がって(?)啼かす」という
ものでしたが書けば書くほどアニー氏の鬼畜振りと手の早さが上がっていくのですが
どうしたものでしょう(訊くな)むしろ彼の愛は毒そのものというか身体に悪そうです。
お風呂場で何があったかはもうほぼご想像通りの事が(え?)その詳細は裏を書く事があれば
書こうかなと思います(おい)何はともあれしっかりリク内容を外しておりますが(殴)繭美様に捧げます。
えー、絶賛返品推奨です~(カエレ)

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